名古屋市中区には日本三大観音の一つとされる「大須観音」という大きな観音様があります。
大須観音には古来より守り神として、鬼面が祀られていると伝えられています。
この「祀鬼祭」という作品では、芸どころとして知られる名古屋の芸達者達によって
鬼面を祀り、鬼と共に舞い踊る、大きな祭りを繰り広げます。
過ぎ去りし月日に 想い恋い焦がれて
仮初めの道…
弔い拒み 微睡み奪う
汚れを禊ぎ 彩り放ち 天の下へ
幾千の想いを込め 祈り恋う
時を分かち踊る 熱き神楽人
尾張藩第七代藩主・徳川宗春によって作られたとされる、
芸どころ・名古屋。
質素倹約の時代に繁栄し、唯一、夢の都と呼ばれた名古屋の姿。
そして徳川宗春その人を表現します。
この「遊女濃阿戸」に登場する徳川宗春公は、享保の改革が行われる江戸時代中期、幕府からの質素倹約令が強まる中、「行き過ぎた規制は庶民を苦しめる」という考えの元、廃れていた名古屋の都を盛り立て、
民衆から大変慕われたと伝えられています。
諸説に寄ると、幕府に反するようなその政治によって、隠居謹慎を命じられてしまったと云います。
作品は宗春の謹慎後、それを悲しんだ民衆達が宗春のことを想い、
自らの力と芸で都を再び活気づけていったという、私達の創作物語によって表現されています。
慕情の暁 刹那に恋う 夢の続きを
夢の浮き橋を渡り (恙無く超えて)
神楽人は踊る (火の如く)
想いを乗せて 今
夢のあと 遥か遠く
さだめの先へ還す
想いを乗せ 神楽人は夢のあと